ふくしま ふるさとワーキングホリデー事業参加者から寄せられた体験談を紹介します。

福島との縁を感じた、二本松市での就労体験

【参加期間】平成31年冬 / 【受入企業】陽日の郷 あづま館(二本松市)

 SNSを通じてふくしまふるさとワーキングホリデーを知り、総務省が主催する説明会へ参加しました。地方での暮らしと、福島県ならではの浜通りを巡るバスツアーに興味があったので、福島県のワーキングホリデーに応募。二本松市にある岳温泉の宿泊施設で働くことになり、フロントでお客様のお出迎えとお見送り、ビュッフェ会場の準備や片付けなどを担当しました。

 大阪から来たと話すと、従業員の皆さんやお客様が珍しがってたくさん質問してくれました。それが自分の地域の良さに気付くきっかけにもなりました。お客様をご案内した際、笑顔で「ありがとう」と言われた時が一番嬉しかったですね。逆に大変だったのは、年配のお客様が話す福島訛り。最初はまったく聞き取れず苦労しましたが、帰るころには聞き取れるようになっていました。

 東北を訪れたことのなかった私にとって、福島は「遠くて縁もゆかりもない場所」だと思っていました。しかし地元の方たちと関わり、バスツアーで浜通りの現状を目の当たりにしたことで、福島の印象が変わりました。また、私の大学の名前を知っている方がいたり、私の地元のマイナーな話を知っているお客様がいたりと、思わぬところで縁があるものだと感じました。見えないところで結びついているものですね。

 今回の体験で、福島の人はみんなあたたかくて素敵だと思いました。従業員の皆さんも忙しいはずなのに、質問に対して丁寧に答えてくださって、優しい人たちばかりでした。また、メディアで報道される機会は減ったものの、いまだ復興に向けた取り組みが続いていることも学びました。次は農業などの第一次産業を体験してみたいです。

大阪府在住 女性


体験を通して感じた、農家の力強さとあたたかさ

【参加期間】平成31年冬 / 【受入企業】テイク(田村市)

 知人の紹介でふくしまふるさとワーキングホリデーを知りました。復興支援のボランティアサークルに所属していて福島県とも縁があったため、福島県で働いてみようと思い、応募しました。

 私の受入先は田村市にあるしいたけ農家で、しいたけの収穫から出荷までひと通り担当しました。担当した仕事は、暗く湿度の高いハウスでずっと作業したり、2kgほどある菌床を何度もハウスの中へ運び入れたりと大変です。また、気温が低く、夕方には路面が凍結し始めるという経験は初めてで、寒さに慣れることにもひと苦労。力仕事や寒さを物ともしない農家の皆さんの力強さに感服しました。

 就労中「受入企業にとって、ワーキングホリデーのメリットは何なのだろう」と考えました。たった2週間しかおらず、農業経験がなくて戦力にならない自分に、なぜここまで優しく接してくれるのだろう・・・そんな疑問を感じていたある日、社長と2人で話す機会がありました。出荷のために軽トラックでスーパーへ向かう途中、学生を受け入れた理由を社長にうかがいました。すると返ってきたのは「消費者である大学生の目線もちゃんと知りたかったから」という答え。本当に私たち消費者のことを考えているのだと強く感じた瞬間で、その言葉の重さにはっとしました。

 体験前は「寒い地域の人はよそ者にあまり好意的ではないのではないか」という偏見を持っていましたが、実際に皆さんにお会いしてみて、人のあたたかさに驚きました。偏見を持っていたことを恥ずかしく感じました。以前から、ボランティアやバスツアーで被災地の現状や農家の声をうかがってきましたが、震災を経験しながら頑張っている姿や復興が進む景色を見ていると、震災復興に関わりたいという気持ちが一層強くなりました。ぜひまた参加したいです。

東京都在住 男性


福島とのつながりを再認識した就労体験

【参加期間】平成31年冬 / 【受入企業】末廣酒造(会津美里町)

 福島県の特設サイトを見つけ、総務省が主催する説明会へ参加しました。そこでふくしまふるさとワーキングホリデーの説明をうかがった際、募集職種として挙げられていた酒造での仕事に興味があったため応募。会津美里町にある末廣酒造で、日本酒の仕込みや出荷の手伝いをはじめ、酒粕の袋詰め、瓶上げ作業、液だれ拭き、日付押しなど、さまざまな仕事を経験させていただきました。

 体験中、ご多忙の中でも従業員の皆さんにラーメン屋へ連れて行っていただいたり、日曜日には会津観光へ連れて行っていただいたりしたことが印象的でした。また、休みの日に従業員の皆さんとの食事会をセッティングしていただいたり、搾りたてで火入れ前の日本酒を試飲させていただいたりと、充実した毎日を送れたと思います。皆さんも気軽に話しかけてくださり、コミュニケーションがとれたことも楽しかったです。日本酒に関する知識も増え、いい勉強ができました。

 私はもともと福島県出身ですが、改めて家族以外での福島とのつながりや、会津、中通り、浜通りの違い、仲間意識の強さとあたたかさを感じました。人との関わり合いを大切にしたい方は、福島をはじめとする東北が合っているのかもしれません。私が滞在した会津地方には喫茶店がたくさんあり、古民家を改装してギャラリーにするなど、昔の物をうまく活用しながら大切にしている姿が見られました。この事実をもっとPRして、県外の方にも来てほしいなと感じました。

 福島県での体験をきっかけに、さまざまな場所で農業体験や漁業体験などもしてみたいです。今度福島を訪れた時には、今回訪れなかった会津の地域と中通りに行ってみたいと思います。

埼玉県在住 女性


地域の方との交流で、地方暮らしの魅力を体感

【参加期間】平成31年冬 / 【受入企業】猪苗代観光ホテル(猪苗代町)

 地方の暮らしに興味があったので、ボランティアなどで縁があった福島県を選びました。受入先では、主にお客様が宿泊するお部屋の清掃と、レストランや宴会場での配膳、片付けなどを担当しました。

 飲食業に携わったことがなかったため、貴重な経験をさせていただいたと感じています。慣れない仕事ばかりで大変なこともありましたが、お客様との交流は楽しかったですね。一緒に働いている方にも家族のように優しく接していただきました。お客様ともお話をする機会をたくさんいただいたのですが、自分の名前を覚えてくださったお客様もいて嬉しかったです。 また、地域の町おこしイベントにも参加しました。温泉街での「温泉たまご作り体験」や、地元テレビ局の生放送のお手伝いをさせていただいたことが、特に印象に残っています。首都圏で生活していたら分からなかったような、町おこしの視点なども学ぶことができました。若い人たちが地域のために働いていて、どの方も地元に誇りを持って生活している印象を受けました。

 これまでボランティア活動やスタディーツアーなどを通し、浜通り地方を訪れる機会はたくさんありましたが、会津・中通り地方を訪れたのは今回が初めてでした。今回のワーキングホリデーでは、ふくしまの明るさを感じることができたような気がします。

 地方に住んで働くことに少し不安を抱いていましたが、ワーキングホリデーを通して人のあたたかさを感じることができ、自信が付きました。今回は山間部での体験だったので、機会があればいわき市でのサービス業や、いわき市での暮らしも体験してみたいですね。磐梯山登山もしてみたいので、また福島を訪れたいと思います。将来、福島県の皆さんと一緒にまちづくりに関わりたいと思うきっかけになりました。

千葉県在住 男性

「地域の方と交流し、福島に対するイメージもプラスに変化」

【参加期間】平成30年夏 / 【受入企業】株式会社渡部園芸(湯川村)

 ボランティアなどで福島県に縁があったことと、募集業種へ関心があったことから応募。湯川村で花き栽培を行う渡部園芸で働かせていただくことになりました。

 渡部園芸では、花の苗を植えかえるため、育苗ポットから苗を取り出す仕事を体験しました。花は品種や固体によって成長に差があるため、育苗ポットの中で根がどれほど成長しているのか、外から見ただけでは分かりません。そのため、根の強度を想定して慎重に取り出すのですが、根の張りが弱いとすぐにちぎれてしまうため、その見極めと加減が難しく大変でした。また、農業で必要なのは工夫だということを学びました。受入先の方は道具を組み合わせてなんでも手作りし、常に工夫していました。これが農業で大切なのではないかと感じています。

 滞在先の地域は、人同士のつながりがとても濃い場所でした。1人で滞在していたのですが、会うたびに挨拶をしていただいたり、たくさんのご飯や野菜を差し入れでいただいたりと、見知らぬ土地にいるとは思えない毎日でした。地域の皆さんと交流できたことが特に印象深く、楽しかったです。

 福島では2回目の参加となりましたが、参加するたびに福島への想いは変わり続けています。関わる前は「農業の現場でどのくらいの被害があったのか」「風評被害もあるのか」と疑問に思う一方「震災の話に触れてはいけないのではないか」と考えていました。しかし実際には「起こった事実を、そして現状を伝えていくことも復興のひとつ」と考えている方がたくさんいらっしゃいました。本に書いてあることやインターネットに書かれた意見とも異なる苦労や嬉しかったこと、これから取り組んでいきたいことなども現地の方から聞くことができて、福島のイメージは大きく変化したと思います。

 今度はぜひ冬から滞在し、春が近づいてくるのを実感したいです。春は農業でも1年のスタートとなる季節なので、その年の農業を考えるきっかけづくりのためにも、また同じ受入先で農業の仕事をしたいです。

埼玉県在住 女性


「農業の大変さと福島のあたたかさを実感」

【参加期間】平成30年夏 / 【受入企業】ふくしま未来農業協同組合・桑折営農センター(桑折町)

 福島県でもワーキングホリデーを実施していると知り、興味を持って応募しました。福島県での体験を選んだ理由は3つあります。1つ目は福島県内に親戚がおり、馴染みのある土地だったこと。2つ目は震災や復興に関心があり、福島県のワーキングホリデーならではである被災地ツアーに参加してみたいと思ったこと。3つ目は魅力的な受入企業があったからです。

 応募後、桑折町のJAふくしま未来の共選場で桃の選別や箱詰め、桃農家さんの家にホームステイして桃の収穫などを体験させていただくことになりました。滞在したのが8月だったため、真夏日に行う桃の収穫は大変でした。しかし強い日差しの中でも、桃の状態を確かめながらひとつひとつ丁寧に収穫する農家さんの姿を見て、農業の大変さを実感できました。

 桃農家さんからは桃のこと、福島のこと、震災当時のことなどのお話をうかがうことができ、とても貴重な体験ができたと感じています。休みの日には桑折町役場の方に町内を案内していただき、桑折町のことも教えていただきました。街中でもたくさんの方に歓迎していただき嬉しかったです。

 また、震災について学ぶ被災地ツアーも印象深かったです。学校やメディアでは知ることができない当時の被害状況や、現在の復興の様子、現地の人々の思いなどを自分の目や耳で見聞きすることができて、貴重な経験となりました。

 今回の体験を通して、福島への印象が変わりました。「きっと福島の人たちは、東京の人に対してあまりいい印象を持っていないのだろう」と思い込んでいたのですが、農家や役場の方、町の人々も優しくあたたかい方ばかりで、福島はあたたかいというイメージが強くなりました。再び福島を訪れる時には、今回お世話になった桃農家さんを訪ねたり、尾瀬に行ったりしてみたいですね。教職課程を受講して教師になりたいと考えているので、将来は福島で体験したことを伝えていけるインフルエンサーになりたいです。

東京都在住 女性


「多彩な人との交流が刺激になり、原動力にもつながった」

【参加期間】平成30年夏 / 【受入企業】ビジネスホテル レスト・パル(南相馬市)

 ふくしまふるさとワーキングホリデーの存在はSNSをきっかけに知りました。もともと地方の暮らしに興味があったので、総務省が主催するワーキングホリデーの合同説明会に参加。住んでいる場所から近かったことと、何よりも震災や復興の話をうかがえるのではと思い、福島県のワーキングホリデーに応募しました。

 ワーキングホリデーの参加は2回目で、前回も福島県で体験しています。今回は南相馬市にあるビジネスホテル「レスト・パル」で、ホテルの業務を体験させていただきました。午前中はチェックインするお客様の食事準備、宿泊の予約確認、レストランの掃除を担当。午後は電話対応、食券の作成、書類の整理。夕方はチェックインされるお客様への接客を担当しました。わからないことばかりで、お客様の要望ひとつひとつに対応していくことは大変でしたが、日々着実に成長できていることを実感できて嬉しかったです。

 一緒にワーキングホリデーで滞在している方や、ホテルで働いているスタッフの皆さんと、楽しくお話しながらお昼ご飯や夜ご飯を食べたことが印象に残っています。食事中にさまざまな話をしましたが、たくさんの刺激を受けました。特に将来の話ができたことは、今後の原動力になったと感じています。また、宿泊のお客様と接客を通じて交流できたことも、貴重な経験となりました。

 体験前と比べて、福島の人のあたたかさを感じるようになりました。今回お世話になったワーキングホリデー事務局の方、ホテルスタッフの皆さん、地域おこし協力隊の方など、皆さんに優しく接していただきました。皆さんがそれぞれ復興のために尽力し、瓦礫に花を咲かせようとする姿はかっこいいと感じました。

 ワーキングホリデーは福島に興味を持つきっかけになりました。2回とも福島で仕事を体験させていただいたので、次は別の場所のワーキングホリデーにも参加してみたいです。また、次に福島を訪れる際は、夏に行われる相馬地域の伝統行事「相馬野馬追い」を見に来たいと思います。

茨城県在住 男性


「自然豊かな環境で感じた、食事への感謝と福島の現状」

【参加期間】平成30年夏 / 【受入企業】磐梯高原南ヶ丘牧場(猪苗代町)

 地方の暮らしに興味があり、募集職種にも関心があったので、ワーキングホリデーの合同説明会に参加。その中でも福島のワーキングホリデー受入企業が特に魅力的だと感じ、総務省のポータルサイトから応募しました。

 私の受入先は、猪苗代町にある「磐梯高原 南ヶ丘牧場」。磐梯山の麓にあり、動物たちとのふれあいや乗馬などが楽しめる、自然豊かな観光牧場です。今回は南ヶ丘牧場にあるレストランでのホール業務と、動物たちのお世話をするレジャー業務を体験させていただきました。

 私はもともと動物が好きなのですが、仕事として動物のお世話をするのは今回が初めてでした。実際にお世話をしてみて、動物に関する知らない知識や新たな発見に出会えました。そのことが嬉しくもあり、とても貴重な体験だったと感じています。また、体験中、家畜として飼われている動物たちのお世話をする機会がありました。これまでは日常生活で何気なくお肉を口にしていましたが、実際に動物たちに触れることで、普段の食事に対する感謝の気持ちがより強くなりました。

 福島を訪れる前は「震災から7年もの年月が経って復興も進み、今ではすっかり元通りになっているのではないか」と思っていました。しかし、実際は風評被害などの目に見えない問題が残っていたり、立ち入り禁止区域といった震災の爪あとが残っていたり・・・元通りになるにはまだまだ時間がかかりそうだと感じました。

 今回のワーキングホリデーをきっかけに、福島県をはじめとした東北各地へさらに興味を持つようになりました。さまざまな場所に足を運んで、いつかは今回体験させていただいた南ヶ丘牧場のような、自然に囲まれた豊かな暮らしをしてみたいです。今度はぜひ冬の福島を訪れて、ウインタースポーツが楽しめるリゾート施設に行ってみたいと思います。

兵庫県在住 女性